株式会社 オビロク Copyright (C) obiroku. All Rights Reserved.
←topにもどる | 納豆と健康A→


特集 納豆と健康@

大豆の花
ナットウキナーゼが血栓を分解

 納豆に心筋梗塞や脳卒中の引き金となる血栓を溶かし、血液をサラサラにする酵素が含まれていることは、1982年、倉敷芸術科学大の須見洋行教授によって発見された。

 当時、米国の研究所に勤務していた須見氏は、血栓溶解作用を持つものがないか調査しており、その最中、偶然納豆に行き着いた。
シャーレに人工的に作った血栓を入れ、そこに血栓溶解剤を入れると血栓は一晩かかって溶けるが、溶解剤の代わりに納豆を1粒入れて様子を見たところ、わずか3時間で血栓が溶解したという。

 須見氏はこの納豆のネバネバに含まれる血栓溶解酵素をナットウキナーゼと命名。以後、一般食品の納豆のブームに火がついた。

   医薬品としての血栓溶解剤にウロキナーゼという酵素があるが、納豆は市販の2パック(100g)中にウロキナーゼ1回分の投与量に相当するナットウキナーゼを含有することも分かり、
1回の投与で2万円ほどかかるウロキナーゼに比べて経済的にも優れていることが医学界を中心に国際的にも知られるようになってきている。

ビタミンK2が骨粗しょう症を予防する

納豆に含まれる有用成分のもう一つの柱がビタミンK2だ。
 人間の骨は新陳代謝により常に新しく生まれ変わっているが、この骨の形成にはカルシウムとビタミンDが欠かせない。

 この骨の形成に、さらにビタミンKという成分も重要な働きをしていることが最近の研究で分かってきた。
ビタミンKの中でも特にビタミンK2がオステオカルシンというタンパク質を作り、これが摂取したカルシウムと結び付いて骨を形成することが明らかになってきたのである。

   このため納豆は、患者数が1,000万人を超えると推計される骨粗しょう症への対応食品としての認識も進んでいる。骨粗しょう症で骨折する人は、血中のビタミンK2量が少ないという報告がある。

  また、厚生省の「骨粗しょう症の予防に関する総合研究班」が95年発表した大腿骨頚部(足の付け根)骨折の全国調査結果でも、骨折する女性は東日本より西日本に多い傾向が表れた。
これに、西日本は東日本より納豆の消費量が少ないとの統計を重ねて、納豆摂取量と骨粗しょう症との関係が社会的な話題となった。

###2001.08###

| ←topにもどる