納豆に心筋梗塞や脳卒中の引き金となる血栓を溶かし、血液をサラサラにする酵素が含まれていることは、1982年、倉敷芸術科学大の須見洋行教授によって発見された。
当時、米国の研究所に勤務していた須見氏は、血栓溶解作用を持つものがないか調査しており、その最中、偶然納豆に行き着いた。 シャーレに人工的に作った血栓を入れ、そこに血栓溶解剤を入れると血栓は一晩かかって溶けるが、溶解剤の代わりに納豆を1粒入れて様子を見たところ、わずか3時間で血栓が溶解したという。
須見氏はこの納豆のネバネバに含まれる血栓溶解酵素をナットウキナーゼと命名。以後、一般食品の納豆のブームに火がついた。
医薬品としての血栓溶解剤にウロキナーゼという酵素があるが、納豆は市販の2パック(100g)中にウロキナーゼ1回分の投与量に相当するナットウキナーゼを含有することも分かり、 1回の投与で2万円ほどかかるウロキナーゼに比べて経済的にも優れていることが医学界を中心に国際的にも知られるようになってきている。
|