目  標

日常生活の基本的な習慣を身に付け、集団生活への参加に必要な態度や技能を養うとともに、自分と身近な社会や自然とのかかわりについて関心を深め、自立的な生活をするための基礎的能力と態度を育てる。

観点ごとのの学習項
観   点 内        容
(1)基本的生活習慣 @食事
A用便
B寝起き
C清潔
D身の回りの整理
E身なり
(2)健康・安全 @健康管理
A危険防止
B交通安全
C避難訓練
(3)遊び @いろいろな遊び
A遊具の後始末
(4)交際 @自分自身と家族
A身近な人との交際
B電話や来客の取次ぎ
C感謝の気持ちや詫びる気持ち
(5)役割 @集団の参加や集団内での役割
A地域の行事への参加
B共同の作業と役割分担
(6)手伝い・仕事 @手伝い
A整理整頓
B戸締り
C掃除
D後片付け
(7)きまり @自分の物と他人の物との区別
A学校の日課やきまり
B日常生活のきまり
(8)金銭 @金銭の扱い
A買い物
B自動販売機の利用
(9)自然 @自然とのふれあい
A動物の飼育・植物の栽培
B季節の変化と生活
(10)社会の仕組み @家族・親戚・近所の人
Aいろいろな店
B社会の様子
(11)公共施設 @公園や遊園地などの利用
A公共施設の利用
B交通機関の利用

学習内容
基本的生活習慣の観点食事・用便・寝起き・清潔・身の回りの整理・身なり

1段階(1)身辺生活の処理を求めたり、教師と一緒に行ったりする
2段階(1)教師の援助を受けながら身辺生活の処理をする
3段階(1)日常生活に必要な身辺生活の処理を自分でする

@食事
(手洗い、配膳、食事、食事の片付けなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師が手をそえる 徐々に食事の流れが理解できる 手洗い、配膳、片付けの活動
徐々に基本的な行動の方法が理解できる
2段階 教師からの言葉掛けや促し 自分で食事等ができる こぼさない
食事中歩かない
食事の一連の流れが大体分かる
食事の際の基本的な態度を身につける
3段階 できるだけ一人で食事ができる <準備>
エプロン、手洗い、食器運搬・配膳
<食事>
あいさつ、適量をよく噛む、マナーなど
<片付け>
食器をまとめる、運搬する、片付ける
準備、食事、片付けの一連の活動を友達と協力して行う
配慮 ・明るく楽しい雰囲気になるような場の工夫
・食前・食後のあいさつなど基本的な態度や習慣が身に付くようにする


A用便
(尿意を伝える、用便の手順や技能、用便後の後始末、清潔を保つ)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師が手をそえる 一定時刻に用便に行く

用便の手順を知る

尿意、便意、粗相などを告げる
基本的指導
(例 男子の場合まっすぐ立つ等)
2段階 部分援助
(きめ細かな指導)
できるだけ自分で用をたす。









自分で用をたすことができる。
男女の区別
ノック
戸を閉める
拭く
水を流す
鍵の掛け方
紙の長さ等


便器を汚さない
3段階 家や学校以外でも一人で使用できる

外出前、休憩時に自分から用をたす

いろいろな種類の鍵の使用
配慮 ・用便の自立は、社会生活上で極めて重要。


B寝起き
(就寝の準備や片付け、一人での就寝、あいさつ、衣服の着脱など)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 着替えを援助して気持ちがリラックスできるように 一人で寝ることができる。

就寝前のあいさつの習慣化

2段階 指示や促しの援助 定時に寝起きができる。

着替え、あいさつ、洗面、歯磨き、就寝準備や片付けを自ら始める。
規則正しい生活へ向けて
3段階 一人ですることを増やし、自信につなげる。 日常的に行い、習慣化する
配慮 ・家庭の協力


C清潔
(汚れた衣服の着替え、洗面や歯磨き、手洗い、タオルで拭く、入浴など)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒にできる 教師と一緒にできる

友達を意識してのやるきにも配慮
歯磨き、洗面、手足を洗う、鼻汁をふく、髪をとかす、爪を切る、耳あかを取る、風呂にはいる、髪を洗う、湯あがりに体を拭く等
2段階 声がけや促しなどの援助 できるだけ一人でできる

身体各部や衣服の汚れの理解

身体を清潔にする意識

道具や用具使いの習慣化
3段階 自分から清潔を意識して活動に取り組む

理髪店の利用
配慮 ・人とのかかわりを円滑にする。
・家庭等の協力。


D身の回りの整理
(自分の衣服やくつなどの整理)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師が手を添える 自分のぼうし、かばん、くつ、服などを見分け、決められた所に置く。

1段階が徐々に自分でできる・
2段階 部分援助 ハンガー掛け、下足箱に入れる。

身の回りの用品の名称、衣類の畳み方、収納場所や収納方法を知る。
3段階 普段使用しないものは、その機会をとれえて できる限り自分で整理する

習慣化する
配慮 ・置き場所を識別できるように、一人一人のマークや写真を用いる。


E身なり
(着替え、身だしなみ、気候に応じた衣服の調節、持ち物の整理など)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 一緒に行う

「うら、おもて、みぎ、ひだり」などの声がけ
簡単な衣服の着脱

季節や気温に応じた衣服に慣れる

天気に応じて雨具を用いる
ズボンをシャツに入れるなど

傘、レインコート、長靴の使用
2段階 援助の程度を考慮 衣服の前後・表裏に気をつける

鏡の前で着脱後の簡単な確認
3段階 身だしなみを整える 袖口、襟元、すそなど
配慮 ・適切な場所での着替え
・長期にわたる指導と家庭との連携

健康・安全の観点健康管理・危険防止・交通安全・避難訓練

1段階(2)教師と一緒に健康で安全な生活をする
2段階(2)教師の援助を受けながら健康で安全な生活をする
3段階(2)健康や身体の変化に関心をもち、健康で安全な生活をするように心掛ける

@健康管理
(自分の体調など健康の意識、健康を維持するための基本的な技能、体調が悪い時やけがをした時の対応方法を身に付ける、自分の成長への興味)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 「がらがら」「のど」「せき」などの言葉にふれながら一緒にする。

一緒に保健室へ行く。
うがいをしたり、うがいをしたりすることに関心

手洗いの習慣化
2段階 保健室の雰囲気に慣れる

体調の悪い時やけがなどを知らせる

身体測定の結果に関する興味や関心をもつ

手の汚れを見て手洗いができる
爪が伸びたことに気づく
3段階 友達のけが等を告げることができる

落ち着いて簡単な手当てを受けることができる

身体の変化に興味を持つ
配慮 ・月経の指導


A危険防止
(危ないことや危険な場所について知る、場所や状況に応じて自分で自分を守るよう適切な行動をとる、道具の正しい使い方を知る)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒にさまざまな活動をする 一緒に活動する中で、けがや事故につながる行動をしない

危険な場所に一人で近づかない

刃物や器具類などを一人で扱わない
小さなビー玉、オモチャ、硬貨、階段、段差、ブランコ、ジャングルジムなど
2段階 教師の指示や援助

安全な遊びや器具の扱いを知らせる
危険な遊びをしない

危険なものに必要以上にふれない
物を投げる、高所に登る、ガス栓、マッチ、刃物など
3段階 行動の広がりに応じて適切な対応ができる
配慮 ・道に迷ったときの対応。


B交通安全
(安全に気をつけながら通行・道路を横断する、信号を¥や標識の意味を知って守る)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒に 交通信号に注意しながら道路を歩いたり、横断歩道を安全に渡ったりする 道路の端、自動車や自転車を避ける、教師と一緒に信号を確認する、左右を見て安全確認、片手を上げて横断等を体験する
2段階 教師と行動を共にして 自動車や自転車に気をつける

友達と横に並ばないで歩く

道路の横断では、手を上げて渡る

歩行者用信号を理解して横断する

踏切警報機の意味を知り正しく渡る
3段階 自分から交通安全に留意し、信号の種類や標識を理解する

自転車使用の際、交通ルールを実際の道路上で体験する
信号に従い、左右を確認して渡る、「止まれ・通行止・横断禁止・危険」等の標識、係員の指示に従う
配慮 ・地区の交通安全協会等との連携


C避難訓練
(訓練の重要性を知る、教師の指示に従って避難するなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 一緒に参加 一緒に参加して移動ができる 騒がない、机の下に隠れる、教師と手をつなぐ
2段階 教師等の指示 友達と一緒に行動できる

「火事、地震、避難」等の言葉の意味を理解する
3段階 教師等の指示を適切に理解 指示を適切に理解し、訓練を通して適切な行動の必要性を知るようにする 自分で安全な体勢をとる、集団として行動する、担任以外の指示にも従う、ハンカチやタオルで口を覆う
配慮 地域の消防署等の協力

遊びの観点いろいろな遊び・遊具の後始末

1段階(3)教師や友達と同じ場所で遊ぶ
2段階(3)教師や友達と簡単なきまりのある遊びをする
3段階(3)友達とかかわりをもち、きまりを守って仲良く遊ぶ

@いろいろな遊び
(自分の好きな遊びをする、教師とごっこ遊びをする、道具を使って遊ぶ、簡単なルールを守って遊ぶ、簡単な遊具を作って遊ぶ、簡単なゲームをする)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師や友達と同じ場所

安定した気持ちで十分に体を動かして遊べるよう配慮
一人で好きなことをする

友達と関わり合いながら遊ぶ

教師の働きかけを受け入れ、まねをする
安全な遊び場の設定、滑り台、ブランコ、砂場等の活用
2段階 教師や友達と 簡単なきまりのある遊びをする 簡単なごっこ遊びや簡単なルールのある鬼ごっこ

ダイナミックに活動できたり、操作できたり、移動できる遊具の活用
3段階 友達と一緒に ルールのある遊びを楽しむ

簡単な遊具を作って遊ぶ
順番、交代、勝ち負け、役割等がある遊び
配慮 ・学校で体験した遊びが、家庭や地域などでも生かされるように


A遊具の後始末
(教師と一緒に遊具を片付ける、自分から後始末をする、協力して後始末をする)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 一緒に

遊びの内容の一つ
教師と一緒に遊びに使った遊具を所定の場所に運ぶ
2段階 促されて 自分で使った遊具を後始末する 大きなものの移動
3段階 児童が収納や取り出しがしやすい工夫 友達と協力する

自分から進んで遊具などの後始末をする

交際の観点自分自身と家族・身近な人との交際・電話や来客の取次ぎ・感謝の気持ちや詫びる気持ち

1段階(4)教師と一緒に身近な人に簡単なあいさつをする
2段階(4)教師の援助を受けながら身近な人にあいさつや話すなどのかかわりをもつ
3段階(4)身近な人と自分とのかかわりが分かり、簡単な応対などをする

@自分自身と家族
(自分自身のことや家族のことがわかる、簡単な紹介をするなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 自分自身に関することで、名前を呼ばれたりしたときに、返答することができる 身振り、表情、声、発声
2段階 自分自身に加え、家族の名前が分かり、紹介する 「お父さんの名前は?」「お母さんはどこ?」への返答
3段階 自分自身や家族について間単に話をしたり、紹介したりする 仕事や兄弟姉妹等について


A身近な人との交際
(担任教師や友達、親戚、隣人などの名前を覚えたりあいさつしたりする、見聞きしたことに対して会話を楽しむ)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 身近にいる教師の名前を覚える

親しい友達と手をつなぐ

ごく簡単な要求を表現する
表情、身振り、動作など活発なコミュニケーション

教師と一緒に頭を下げたり、手を振ったり、握手したりしてのあいさつ
2段階 担任や友達の名前をいう

身近な人に自分からあいさつする

教師に見たこと聞いたこと等を話す
3段階 簡単な日常のあいさつをする

見たこと聞いたことを教師や友達と話し合ったりする
学校の出来事を家庭で話したり、家庭での会話を学校で話す

困っている友達を手伝ったり、約束を守ったりする

年賀状や手紙


B電話や来客の取次ぎ
(電話の取次ぎや来客への対応を適切に行う)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 関心をもつ
2段階 人の来訪を伝える

電話の取次ぎをする
3段階 「はい、○○です」と適切に取り次ぎをする
配慮 ・家庭との連携


C
感謝の気持ちや詫びる気持ち

(「ありがとう」「ごめんなさい」が気持ちを表す言葉であることがわかる、自分なりに表現する、あいさつを習慣にするなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師に促され 「ありがとう」「ごめんなさい」の気持ちを表す経験を積み重ねる
2段階 感謝や詫びの気持ちを育てる できるだけ言葉で「ありがとう」「ごめんなさい」という
3段階 「ありがとう」「ごめんなさい」を相手に適切に言える

役割の観点集団参加や集団内での役割・地域の行事への参加・共同の作業と役割分担

1段階(5)教師と一緒に集団活動に参加する
2段階(5)集団活動に参加し、簡単な係活動をする
3段階(5)進んで集団活動に参加し、簡単な役割を果たす

@集団参加や集団内での役割
(いろいろな行事に参加することで、集団の中での自分の役割を果たすことなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 集団の中で生活することに慣れる 人数や年齢が異なる集団に参加し、友達を知り、友達と一緒に活動する
2段階 援助 人数や年齢が異なる集団に参加し、集団活動で簡単な係活動を果たす 遊び道具の運搬や活動の準備
3段階 積極的に様々な集団活動に参加し、活動の準備や役割を果たす

様々な役割があることを知る
他の係活動を意識しながら活動の見通しをもって自分の役割を果たす


A地域行事への参加
(地域の行事に参加する、自分の役割を果たす、地域の行事を楽しむことなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 参加して楽しい雰囲気を味わう 子ども会や町内会
2段階 援助 行事に参加し、簡単な買い物をする

地域の人たちと一緒に行動する
3段階 友達と一緒 主体的に行事等の催しものを楽しむ

地域の人たちと協力して、行事等の準備や後片付けをしたりする
配慮 ・地域社会に根ざした学習を展開
・地域社会の一員としての自覚がもてるよう


B共同での作業と役割分担
(簡単な作業を共同で行う、作業において分担された個人の役割を果たすなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒

楽しい雰囲気で
簡単な作業を行う
2段階 教師の援助

友達と協力して楽しく作業に取り組めるように
友達と一緒に作業に取り組む
3段階 力が発揮できるよう、繰り返して活動に取り組めるように 作業分担がわかり自分から取り組み、役割を果たす 木工や紙工などを取り入れる
配慮 ・家庭等においても役割を担えるよう連携を図る

手伝い・仕事の観点手伝い・整理整頓・戸締り・掃除・後片付け

1段階(6)教師と一緒に簡単な手伝いや仕事をする
2段階(6)教師の援助を受けながら簡単な手伝い仕事をする
3段階(6)日常生活で簡単な手伝いや仕事を進んでする

@手伝い
(物を配ったり届けたりする、伝言を届ける、作業を手伝うなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒

喜びが味わえるよう
配布物を配る

教材を運搬する
2段階 教師の援助 できるだけ自分で
・配布物を配る
・他教室へ教材を運ぶ
(簡単な道具や器具を使う)
3段階 日常生活の中で、自分から調理や製作などの様々な活動の手伝いをする

道具や器具に慣れ、大切に扱いながら安全に手伝う


A整理整頓
(自分の所持品を整理する、学級で使うものの整理、不要物の選別と不要物を捨てるなど)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒 自分の所持品を整理する
2段階 教師の援助 できるだけ自分で机やロッカーの中を整理整頓する
3段階 整理された教室の気持ちよさが実感できるように 友達の使ったものや学級の備品の整理整頓を行う
配慮 ・あらゆる学習場面や日常生活場面で、継続的に取り上げる


B戸締り
(窓や扉の開閉をしながらその意味を知る、教室等に鍵をかけたり、開けたりすること、自分で判断し、窓の開閉や鍵の開け閉めをすること)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 扉や窓の開閉を繰り返しながら慣れる
2段階 扉や窓の開閉、施錠方法を知る

どのような時に開け閉めをするのかを理解する
3段階 日常的に手伝う器械をつくり習慣化する 扉や窓の開閉がいつどのような時に必要なのかが分かる


C掃除
(自分の出したゴミうを拾う、身の回りにあるゴミを拾ってすてる、掃除用具を使って簡単な掃除をする、任された場所の掃除をする)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒

簡単なことを習慣化
ゴミを拾ったり、ゴミ箱のゴミを捨てたりする
2段階 援助 できるだけ一人で簡単な掃除をする

掃除用具の名称を覚える

掃除用具の使い方が分かる
3段階 分担された場所の掃除をする

そえrぞれの場所に適した掃除の方法や手順、用具の使い方などを身に付ける
廊下、玄関、プレイルーム、階段等
配慮 ・使いやすい道具と違和感がもてるようにする工夫


D後片付け
(道具や材料の片付け、仕事が終了したことを教師に報告など)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒 手伝いや仕事で使用した道具等の後片付けをする
2段階 教師の援助 自分が使った道具を選ぶことに徐々に慣れる

仕事で使用した道具等の後片付けをする

友達からの声がけでもできる

友達と一緒に協力しながらできる
3段階 手伝い仕事の終了時に報告する

自分から決められた場所に道具を片付ける

集団における大切なルールと気づく
配慮 ・道具等を収納したり、取り出したりしやすいような工夫

きまりの観点自分の物と他人の物の区別・学校の日課やきまり・日常生活のきまり

1段階(7)学校生活の簡単なきまりに従って行動する
2段階(7)日常生活に必要なきまりに気づき、それらを守って行動する
3段階(7)日常生活に必要な簡単なきまりが分かり、それらを守って行動する

@自分の物と他人の物の区別
(自他の物を区別する、他人の物を無断で持ち出さない、他人に借りたものは必ず返すなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 シール、記号、名前 自他の物を区別する
2段階 他人の物や学校の物品を無断で持ち出さない
3段階 物の貸し借り

落し物の対処
落し物を拾ったときには、教師に届けたり、持ち主を探して手渡したりする


A学校の日課やきまり
(学校生活におけるきまりを知って守ること、地域や社会におけるきまりを知って守ること、きまりの意義を知り、自発的にきまりを守るようにする)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒

教師の声がけや様々な合図
学校生活の簡単なきまりを教師と一緒に行動しながら知る 始業、終業、給食等の合図を聞いての行動

靴を履き替える場所等
2段階 教師の援助 学校生活では、様々なきまりがあることに気づく 廊下の右側通行、靴を履き替える場所、登校時刻、下校時刻など
3段階 簡単なきまりを相談してつくる
配慮 ・日常生活の具体的な場面で継続して指導
・家庭との連携


B日常生活のきまり
(日常生活における簡単なきまりを知る、きまりを守りながら進んで施設等を利用するなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 きまりを守って行動する
2段階 教師の援助 日常生活においてきまりがあることに気づき、それらを守って行動する 信号を守って横断、停留所や駅で並んで順番を待つ、順番を守って乗り物の乗降をする、決められた場所で遊ぶ
3段階 日常生活において進んできまりを守る

それぞれの施設の役割を理解する
公園、遊園地、図書館、電車、バス
配慮 ・実際の活動を通して体験しながら、校内での学習と公共施設等の利用と関連づけて学習

金銭の観点金銭の扱い・買い物・自動販売機の利用

1段階(8)教師と一緒に簡単な買い物をする
2段階(8)決まった額の買い物をして、金銭の必要なことが分かる
3段階(8)簡単な買い物をして、金銭の取り扱いに慣れる

@金銭の扱い
(お金を大切に扱う、代金を払う、硬貨や紙幣の種類を知る、種類ごとに分類したり数えたりする、お金を無駄遣いしないようにする)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒に 簡単な買い物を通して、
・お金を渡す
・お金を財布に収納する
・お金の扱い方を知る
2段階 教師の援助 実際にお金を払い、お金の価値を徐々に理解する

大切に保管する

遣い方を知る
3段階 価値や意味にもふれる お金が必要なことが分かる

価値に応じて硬貨や紙幣を組み合わせて支払う

種類ごとに分類する

必要に応じて両替をする
郵便局や銀行に預金

実際のお金を使用


A買い物
(買い物をする、物の買い方を知る、決まった額の買い物をする、目的に合う買い物をする)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 簡単な買い物をする 品物を選んでレジまで持っていく、店の人にお金を渡す、品物を袋に入れる等の体験
2段階 教師の援助 できるだけ自分で買い物をする

簡単な言葉を使う

決まった額の買い物をする

品物を選んで買う
「これ」「ください」
3段階 自分で目的に応じた買い物をする

必要な言葉を使う

およその値段が分かって買い物をする

レジの場所が分かり、代金を支払う
配慮 ・心理的な抵抗をできるだけ除き、買い物の楽しさを味わう


B
自動販売機等の利用

(教師と一緒に自動販売機を使う、身近にあるじづう販売機の種類を知り、利用するなど)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒 お金を入れ、ボタンを押し、品物を取り出すことに慣れる
2段階 教師の援助 できるだけ一人で操作できる

おおよそ使い方を知る
3段階 簡単な自動販売機などを自分で利用する 校外学習、遠足等の機会を利用

自然の観点自然とのふれあい・動物の飼育・植物の栽培・季節の変化と生活

1段階(9)身近な自然の中で、教師と一緒に遊んだり、自然や生き物に興味や関心をもったりする
2段階(9)身近な自然の中で遊んだり、動植物を育てたりして自然や生き物への興味や関心を深める
3段階(9)身近な自然の事象・現象に興味や関心を深め、その特徴や変化の様子を知る

@自然とのふれあい
(身近な自然の中で遊ぶ、自然を利用した遊び、校外学習などの際に自然に親しむ)

段階 援助 目標 具体場面
1段階 教師と一緒 自然の事象にふれ、生き物に興味や関心をもつ 公園、川、野山、海等
2段階 自然がその姿を変えることが分かる

動物の動きなどに興味をもつ

自然を利用して遊ぶ
草木、木の葉、落ち葉集め等
3段階 校外学習等で自然に親しむ

植物の変化をとらえる

自然の事象として天候の変化についても学習
形や色などの特徴をつかむ


A動物の飼育・植物の栽培
(身近に生息する小動物や草花を探す、様子の観察、触れる、関心をもつ、世話をしたりして愛着をもつ、成長に気づき育てる喜びを感じるなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒に 飼育している身近な動物や栽培している植物びに興味をもつ
2段階 教師の援助 小動物を飼育し、生き物への興味や関心をもつ 飼育動物のために草を刈る、野菜くずをもらいに行く
3段階 身近にいる昆虫、魚、小鳥の飼育や草花などを栽培しながら関心を深める 外敵の防止、気温の変化、発芽、開花、結実、除草、肥料等
配慮 ・長期にわたる観察ができる条件や環境を整える。
・教師も一緒に世話をし、共に感動体験を共有する。


B
季節の変化と生活

(天気や空の様子に関心をもつ、四季の特徴や天気の移り変わりに気づく、地域の行事と季節の関係について知る)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 晴れや雨などの天候の変化に気づく
2段階 天候の変化や太陽、月、星などと昼夜とのかかわりに関心をもつ

季節の特徴に関心をもつ
冬寒く夏暑い
3段階 天気予報や台風などの情報に関心をもつ 太陽の出没の方角、月の満ち欠け
配慮 ・季節の変化に生活に関する指導では、太陽や月、星などの天体を実際に見たり、天気予報に接したりして、日常生活とのかかわりに関心をもてるようにする。

社会の仕組みの観点家族・親戚・近所の人・いろいろな店・社会の様子

1段階(10)家族や家の近所などの様子に興味や関心をもつ
2段階(10)家族の役割や身近な地域の様子に興味や関心をもち、自分と家庭や社会とのかかわりに気づく
3段階(10)家族や社会の様子に興味や関心を深め、その働きを知る

@家族・親戚・近所の人
(家族や親戚の様子について関心をもつ、身近な地域に興味や関心をもち、自分とのかかわりに気づき、それらの働きを知る

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 家族がわかり、気持ちを安定させて生活する

隣近所の人などに関心をもつ
父、母、兄弟、姉妹、祖父母
2段階 家族がそれぞれ役割をもっていることに気づく

身近な地域で働く人などに対して関心を広げる
3段階 家族や親戚、近所の人々の名前を言う

家族の職業や身近に見られる職業がわかる


Aいろいろな店
(店の種類が分かる、店の名前を言う、それぞれの店で売っているものが分かる)

段階 場所 目標 具体場面等
1段階 近隣や通学路にある店に関心をもつ 自分の好きな商品が置いてあることがわかる
2段階 教師と一緒 教師と一緒に買い物に行き、いろいろな種類の店やそこで販売している商品に関心をもつ
3段階 いろいろな店の種類が分かり、それぞれの店の名称やそこで扱っている商品の名前が言える 実際に出かけ、看板を読んだり、買い物をしながら、名称を確認したりする
配慮 ・生産地やどこから運ばれたものか等を調べ、工場や農家等への関心を高める。


B社会の様子
(自分が住んでいる地域の自然や街の様子に関心をもつ、自分が住んでいる地域の自然や街の特徴が分かる、自分の住んでいる地域の名称、住所や県名が分かる、地域や社会の出来事に関心をもつ)

段階 場所 目標 具体場面等
1段階 自分の住む近所に商店、公園、学校、駅などがあることに気づく

そこに出かけて関心をもつ
2段階 自分が住む地域の公共施設やいろいろな商店、河川や山、公園などの様子について関心をもちおおよその名称を知る

自分の生活との関連について知る
3段階 自分の住む地域や隣接する市町村の名称が分かる

自分が住んでいる地域や周辺の地域が分かる(田畑、大きな河川、港湾、商業地、工業、地住宅地など)

地域で見られる産業にも関心を深め、その働きを知る

TV等で身近な社会の出来事を知る
配慮 ・児童が住む地域から少ずつ範囲を広げていく。

公共施設の観点公園や遊園地などの利用、公共施設の利用・交通機関の利用

1段階(11)身近な公共施設や公共物を教師と一緒に利用する
2段階(11)教師の援助を受けながら身近な公共施設や公共物を利用する
3段階(11)身近な公共施設や公共物の働きが分かり、それらを利用する

@公園や遊園地などの利用
(広場や、越えん、遊園地などで遊ぶ、公園や遊園地で気に入った遊具で遊ぶ、公園や遊園地で目的の切符を買って遊ぶ、公園や遊園地の自然や小動物に親しむ、それらを通してその適切な利用する)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 学校の近くの広場、公園、遊園地などに行って遊ぶ経験を重ね、遊ぶ場所を知る
2段階 教師の援助 気に入った遊び場や遊具で自分から進んで遊ぶ

順番を待つ

安全な遊び方を知る
3段階 公園や遊園地などを適切に利用する
配慮 ・自然や遊具を大切にすること、ごみをごみ箱に捨てるなどの指導


A
公共施設の利用

(公共施設を使用する、公共施設の名前が分かる、公共施設の場所が分かる、公共施設の働き(仕事の内容)が分かるなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 児童にとって身近な公共施設を利用する 広場、児童館、公衆便所など
2段階 教師の援助 身近な公共施設のおよその働きが分かり、援助を受けながら利用 図書館、体育館、児童館、公衆便所など
3段階 およその仕事が分かり、実際に利用する 警察署、消防署、郵便局、病院など
配慮 ・公共物については、学校生活や公共施設に関連づけて指導する。
・様々な標識や表示を知り、自分から探して適切に利用できる。


B交通機関の利用
(交通機関の名称や利用方法、目的地まで行くための交通機関を知るなど)

段階 援助 目標 具体場面等
1段階 教師と一緒 乗降時に料金を払う体験をする 電車、バスなど
2段階 教師の援助 いろいろな交通機関があることを知る

切符を購入したり料金を支払ったりすることに慣れる
3段階 日常的に利用している電車やバスを確実に利用できる

校外学習時の目的地までの交通機関を知る
配慮 ・家庭やバス会社などとの連携
・車内でのマナーなどの継続した指導