〜シリーズ〜
山形の
山歩き
富神山(とがみやま)へは、3つのコースがあるようです。距離が短いながら急な登りの山王口。駐車場が広く、ゆったり登れる新道口。それから山王とは反対側の柏倉方面からの柏倉口、の3つです。車で市内から行くのなら、迷わず新道口をお勧めします。
山形市内、国道348号を西進。西バイパス南沼原小学校交差点を越え、県道山形白鷹線を県民の森方面へ。門田の山王部落へ入ると道は急な登り坂になり大きくカーブします。そのすぐ先に富神山への最初の登山口、山王口の案内がヘアピンカーブの所にあります。
この登山口は、山頂直下にあり、距離としては一番短いのですが、道はすぐに急な直登になり、滑りやすい土とコケの生えたコースは結構きつく時間的には後からご案内する新道コースとほとんど変わりません。下りも足を滑らせやすいので、あまりお勧めできるコースとは言えません。
山王口からさらに県道を1Kmちょっといった所に、新道口があります。こちらは駐車場も整備されているので、安心して車での山行が楽しめます。お子さん連れや恋人と行くなら絶対にこちらのコースがお勧め。なんてったって、ほとんどのコースが並んで歩けるほどの道幅が確保されているんですから。。。
こちらのコースは急な上り下りはほとんどありません。栗や楢の林をのんびり散策できるので、ご年配でも大丈夫。車を指定された駐車場へ止め、新道入り口の案内板のところから農作業用道路に入ります。
そこは、急な斜面に作られたブドウ畑の棚。ブドウの木のトンネルを潜ってゆっくりと山へ入っていきます。うれしいのは、山歩き用にスキーのストックが杖代わりに置いてあること。地元のみなさんの心遣いが伝わってきます。まあ、コースは緩やかなので、通常は必要はありませんが、足元が心もとない方や、ご年配には有難い配慮です。このストック、柏倉口にも置いてあります。
さて、ブドウやりんごの果樹園を過ぎるといよいよ山歩き、と言った雰囲気です。県道を通る車の音を聞きながら、木漏れ日の中をのんびりと歩いていきます。秋なら、栗の実がたくさん落ちているし、よく見ると林の中には様々なきのこも・・
振り返れば、木々の間からは県民の森から白鷹山へ続く山々。南の方は遠く吾妻連峰も垣間見ることができます。
途中一箇所だけ分岐がありますが、ここはどちらへ行っても後で合流するので大丈夫。左側のやや細い上り道を選べば、小さなベンチが一つ置いてある休憩ポイントを経由します。途中2箇所ほどやや急な上り坂もありますが、長くは続かず、下り坂もあるので飽きずにのんびりと歩くことができます。
のんびり歩いて30分ほどもあれば、急に視界が広がり山神様を祀った山頂へ。南は上山方面から北は天童・東根方面まで大パノラマが広がります。正面には龍山、そして蔵王が大きく横たわり、その懐に抱かれた山形の町並みが手に取るように見渡せます。背後には白鷹、そして月山や葉山も木々の合間に顔を覗かせます。すぐ足元には門田や村木沢の集落、そして豊かな田んぼが続きます。
この山頂には富神山の名前の由来を記した案内板が設置されて、遠く戦国時代に思いを馳せるのも良いかも知れません。子ども達を連れて行けば、自然や地理、そして歴史までも語り合える気軽な屋外教室に早変わり。楽しく勉強にもなっちゃうおいしい山登りになること請け合いです。また、記念のノートも置いてあるので、いろいろな人の感想を知ることが出来るのも楽しみの一つです。是非、何か感想を残してきてください。
by Kazuto Saitoh