山形県長井市の黒獅子ってなんですか?

このページでは写真を交えながら長井の黒獅子の紹介をさせていただきます。

(黒獅子の獅子幕)
           最初に・・・
 もとより山形県長井市の黒獅子舞の発祥についてはさまざまな伝説があり、一言で「これだ!」と確証に至る物的な証拠があるわけではありません。
 しかし、ひとたびその物語の紐を解けば、現代ではもう忘れ去られてしまいつつある日本人の心の拠り所が垣間見えます。しかもその伝統的な獅子舞が現存し、さらに長井の人々に「おしっさま」として愛されているのは、奇跡とも言えることだと思われます。
 「長井の黒獅子舞」の始まりは、伝説によれば約940年前(室町時代)の源頼義の時代にまで遡ります。
 現在「長井の黒獅子舞」は黒獅子発祥の地、総宮神社を始め、長井全体で41の神社で祭りが行われています。それらについて細かく書かれた優れた本や雑誌があるので、興味のある方はそちらを参考にしていただきたいと思います。

       むかで獅子について
 長井の黒獅子は、長い大幕に入り20人ほどで舞う多人数立ちの獅子舞で、「むかで獅子」(百足獅子)とも呼ばれ、この形で舞うのは山形県西置賜地方と、その周辺の一部に多く見られます。
      獅子頭(蛇頭)について
 獅子頭の形は、鼻が出っぱり目玉は飛び出しやぶにらみで額に宝珠を戴き、上顎の牙が外にはみ出し、顔を覆い隠す長いたてがみと鼻ひげが特長で、とてもいかめしい形をしています。子供達は獅子が近づいてくると泣き出すほどで、子供の頃はいたずらをすると「お獅子様来るぞ!」と驚かされたものです。
          幕について
 獅子幕は20人ほどがゆったり入れるかなり大きく長いもので、紺の地色に白で水流の流れを表すうねりのある波模様の上に、水流の激しさを表現する丸い水玉と、尾を引いた獅子玉が染め抜かれています。
    警護(けいご)について
 長井の獅子舞には警護が必ずつきます。ある神社の獅子舞では、獅子が舞っている最中に時々機嫌が悪くなったりすると(突然走って逃げ出したりもします)暴走してしまい手がつけられなくなったりします。そのような時は力自慢の警護が獅子をなだめすかしたり、時には獅子と格闘しねじ伏せたりします。そして警護に付き添われて獅子は氏子の悪魔を祓い、家の周辺にも悪魔が居ないか確かめながら一軒一軒回って行きます。
 警護はその昔、村中の若者を集め、神前に於いて相撲の大会を行い、その大会で優勝した者が警護に任命されました。今でもその伝統を守り、神前相撲大会を行い優勝者を警護に任命している神社もありますが、年々参加者が少なくなってきたため、現在多くの神社では相撲大会は行われなくなりました。
 
    獅子連中について
 幕の中に入り、獅子を舞う人達のことを獅子連中と言います。現在はあまり知られなくなってしまいましたが、獅子連中には厳しい掟があります、その内容を紹介してみると。
 獅子連中は氏子の中から竜神様を信じる者のみが集まり、神に仕える者として選ばれ獅子連中に加わることが許される大変名誉なことである。
 従って獅子連中は祭りの稽古が始まると精進潔斎(しょうじんけっさい・雑念を去り身を清め行いを積み、肉類を食べず菜食すること)及び斎戒沐浴(さいかいもくよく・神事にかかわるので、祭りの期間中は冷水を浴びて身のけがれを取ると共に、飲食や行動を慎み心身を清めること)をして獅子舞を行い、祭りが終わるまで固くこの行いを守ること。
 更に、人類の平和を願い福祉に貢献し平和世界建設のため獅子連中の名に於いて精進する。
 このように様々な決まりごとがあります。

     「卯の花姫伝説」と龍神さま
 古来から人々は出羽三山など山岳信仰に代表されるように、深い山中には神が住むと信じ、川の上流には龍神が住むと信じられてきました。したがって長井市の中心を流れる野川上流の三淵には、川を支配する龍神がいるとされ、三淵神社を奉りました。そして里宮の大祭には、三淵から龍神を迎えることになります。
 三淵には「卯の花姫伝説」があり、昔この地に攻めてきた八幡太郎義家に恋をした姫が、味方の情報を漏らしてしまいそれが原因となって戦に破れてしまいます。そのことを悔やんだ姫は、「さらばこれまで」と三淵の絶壁に家来とも共身を投じ、大蛇となり神に奉られたとされ、大蛇の野川を流れ下る姿が獅子舞の姿だとされています。
(いよいよ獅子に命が吹きこまれます。) (神殿を祓い清め、ゆっくりと境内へ進みます。)
(境内に入ると獅子の勢いは増します。) (警護に先導され獅子は境内に入ります。)
(勢いを増した獅子は境内を祓い清めます。) (さまざまな舞いで獅子は進んで行きます。)
(化粧回しを締めた警護の勇ましい姿。) (獅子は人々の厄を食べ、自分の体に溜めていきます。)
(笛、太鼓の音色に合わせて獅子は舞います。) (神社を出た獅子は町内の家々を回り、魔を祓います。)
(だんだん獅子も疲れて酔いも回ってきます。) (まだまだ家々を回り足りない獅子は、神社に帰ろうとしません。)
(警護がもう十分だと獅子を神社に入れようとしますが、獅子は言うことを聞きません。) (そこで警護は力で獅子を神社に入れようとします、これを「警護掛かり」と呼びます。)
(神社によりさまざまな「警護掛かり」があります。) (警護に負けあきらめた獅子は、祓い残した家々がないかと心配そうに振り返りながら、ゆっくりと階段を上って行きます。)
(獅子のせつなさが伝わってくるようです・・・。) (無事に祭りが終えたことを神に感謝し報告して、黒獅子祭りは終了します。)

黒獅子スケジュール表

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