ONCE REPORT '96
今 琢生 小国町立白沼中学校
本校における、95,96年度のインターネット活用（主にwwwと電子メール）から、児童生徒が、学校外部の方々と交流を持つことができた事例を、以下に整理してみた。こうして振り返ってみると、本校のような小規模校における活用の有効性として、次の４点にまとめることができる。
内容 |
学年 |
交流相手 |
反応 |
成果・変容 |
課題 | |
| 白沼の冬1996 | 冬の生活の紹介文、写真、動画 | 中１年 96.2月 |
特定せず | 雑誌などで紹介され、小学校社会科の資料として使われるようになる。質問や交流学習希望のメールがいくつか届く。 | 自分達の冬の生活そのものに、情報としての価値があることを感じとっていた。 | 画像の扱いに不慣れのため教師が撮影を代行する。 |
| 雪国のくらしＱ＆Ａ | 雪国のくらしについて、手紙・電子メールのやり取り | 中学２年 97.1月〜2月 |
多肥小学校４年生・岩倉南小学校４年３組 | 電子メールを使った交流では、Ｑ＆Ａが何度も繰り返された。 手紙では手間をかけた感想やお礼が届く。 |
質問に答えようとすることで、気付いていなかった自分達の冬の生活の工夫や特徴を見つけることができた。 | 手紙の場合、返事が届くのに時間がかかり、小学生を不安にさせた。担任間の事前打ち合わせが重要。 |
| 電気植物図鑑 | 学校付近の春の花調べの成果を紹介 | 中学３年 96.1月〜 |
全国の植物好きの方々・大学の先生 | 調べてもわからなかった花の名前の質問へ、１０通ほどの感想や励まし、植物名を決めるヒントなどのメールや画像が届く。 | いただいた情報を参考にして、植物調べのポイントをまとめ直し、事後の学習へ生かした。雪深い地方の植生に気付く。 | 相手のHPに情報が掲載される場合もあり、生徒が直接wwwへアクセスできる環境が欲しい。 |
| なぞなぞうた | なぞなぞ歌の発表と感想のやり取り | 小学６年国語 96.6月 |
新潟県三条市立条南小学校６年２組 | 本校児童の作品に対する感想の他、交流校児童の作品も電子メールで届けられ、やり取りが続く。 | 児童３名しかいない学級であるが、多くの評価と質の高い作品に出会うことができ、意欲が高まった。 | キーボードの操作になれていないため、教師がかわりにメッセージを打ち込んだ。 |
| 方言と共通語 | いくつかの会話をいろいろな地方の方言で比べ合う | 小学校３・４年 96.10月 |
富山県福野小学校４年他 | ホームページへ方言の音声ファイルを載せ合うことによって、同時に複数の地方の方言を比較し合うことができた。全国の方言を集めているホームページ「ふるさとの方言」からもリンクされる。 | 交流相手校が忙しい時期であったため学習の進め方に打ち合わせ不足が出てしまった。 | |
| 大地の変化の学習 | 地域の地質について学習成果を発表 | 中学校３年 96.10月〜12月 |
山形大学、新潟大学の地学専門家・研究者など | 大変有用なコメントが多数届けられる。新潟大学の学生グループは本校まで出向いて特別授業を行って下さった。 | 本校地域の地質に興味を持つ研究者と触れ合うことで、地域の地質的特徴に気づいた。 | 教師が日常情報交換を行っていた方々の協力が大きい。つながりを維持していきたい。 |
| 速報３月９日部分日食の観察 | 日食を日本全国の学校で同時に観測 | 中学生有志 97.3月9日 |
全国の中高校観測グループ | それぞれの地域の観測結果を画像で報告し合う。悪天候で観測しにくかった部分を補足する情報も届けられた。 | 同時刻の観測結果を比較することで、本校の位置を確認できた。意欲も高まった。 | 複数の共同観測校のHPに掲載される情報へへアクセスできる環境が欲しい。 |
| 国道清掃 | 国道沿いのゴミ拾いの紹介と呼びかけ | 児童生徒会 96.7月・10月 |
全国の環境保護に関心を持つ方々・学校 | たくさんの方々から励ましのメールが届けられる。学級活動や道徳の資料として活用していただく。 | 黙々と清掃活動に取り組むだけではなく、広く呼びかけることが大切であることに気づく。 | 他校の取り組みや考え方も情報収集しながら活動を発展させていきたい。 |
| 秋・白子沢祭り | 地域の行事へ参加する様子を紹介 | 児童生徒会 96.10月 |
特定せず | お祭り関係のホームページからリンクされる。地域の方々からも好評を得る。 | 児童生徒が参加する地域行事の紹介に対して反応があったことで、その重要性を感じとった様子。 | 地域の文化についてはまだまだ情報発信するに値するものがある。 |