
| 目 標 |
| 明るく豊かな職業生活や家庭生活が大切なことに気付くようにするとともに、職業生活及び家庭生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を図り、実践的な態度を育てる。 |
@「明るく豊かな職業生活や家庭生活が大切なことに気付くようにする」とは、
・働くことに関心をもち、将来働くことを中心とした生活になること
・社会の中で自己実現をするには、働く生活が大切であることが分かるようにすること
・家庭生活においても、家族のそれぞれの役割や立場が分かり、家庭生活における自分の役割を果たすことによって家庭が成り立っていることが分かるようにすること
・「明るく豊かな」は、職業生活と家庭生活の両方にかかっていることに留意
A「職業生活に必要な積極的な知識と技能」とは、
・職業に就くためには知識や技能が必要であり
・道具や機械の使い方
・自分の役割や協力の仕方が分かり
・情報機器の初歩的な扱いに慣れ、職業や進路に関心をもてるようにする
B「家庭生活に必要な基礎的な知識と技能」とは、
・被服、食物、住居などを処理する基本的なことが分かり、それらを処理する技術のこと
・家庭で使われている情報機器等の扱いに慣れることや余暇の過ごし方を知ることも含まれる
B「実践的な態度を育てる」とは、
・職業生活や家庭生活の大切さが分かり、作業や実習などの体験的な活動を通して、自分の力を発揮して働くことができるようにする
・よりよい家庭生活を作ろうとする意欲をはぐくむこと
| 学習内容 |
| 「働くことの意義」の観点 (1)働くことに関心をもち、働く喜びを味わい、作業や実習に参加する。 |
| ポイント | 学習内容 |
| 働くことに関心をもち | ・物を作ったり、育てたりする活動に興味をもち、育てるなどの目的的な活動が働くことにつながることに気付くようにすること |
| 働く喜びを味わう | ・作る、育てるなどの活動を自分の力で成し遂げ、その成果に対し、達成感や成就感をもつこと |
| 作業や実習に参加する | 学校における作業や産業現場等における実習を指し、 ・作業の準備(手洗いや身支度、作業手順や工程の確認、材料や道具など) ・作業活動(作ること、育てること、運ぶこと、計算や計量を行うことなど) ・作業の片付け(半j完成品の整理、完成品の計数や整理、材料や道具の片付け、諸点検など) |
| ・作業や実習においては、それぞれの活動を確実に行い、一定期間続く一連の仕事を実際に行うことが大切 | |
| ・指導に当たっては、自分の活動の目当てが分かるように、作業分担を明確にするとともに、何のために作業を行っているのか分かるように、作業工程や活動のの全体が見通せるように作業場を設定することが重要 | |
| ・一つ一つの活動が成し遂げられるような状況を作るために、役割分担や道具、補助具を工夫したり、作業する場所や作業環境を整えたりすることに配慮する |
| 「職業に関する基礎的な知識」の観点 (2)職業に就くためには、基礎的な知識と技能が必要であることを理解する |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 職業に就くためには | 様々な仕事について関心をもち、このような仕事に従事するようになるためにはということ ・地域の人々や家族、先輩などが会社で働いている様子を見て、身近な品物がどのようにして作られるかを職業見学で知る |
| ・物を作るために、多くの人々が仕事を分担し、協力していることを知る | |
| 基礎的な知識と技能が必要であることを理解する | ・職業の名称や仕事内容、生産品や製品、取り扱い商品の名称、会社や商店などの役割が分かる 例えば、 ・職場には多様な仕事があり ・就労するためには、仕事に必要な技能を身に付ける必要がある ・職場では仕事の好き嫌いをしないで最後まで成し遂げる ・時と場に応じた服装、動作、言葉遣いが大切であることがわかる |
| 職業に関する基礎的な知識 | ・実際に職業見学を行う |
| ・事業所で就業体験をする | |
| ・体験学習を通して、お手伝いとは異なる働く大切さがわかるようにする |
| 「道具や機械」の観点 (3)道具や機械の使い方などが分かり、安全に作業や実習をする |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 道具や使い方などが分かり | ・作業に必要な工具類や農具、工作機械の名称や簡単な操作の仕方を理解すること |
| ・「など」とは、道具や機械の手入れ、後片付けや整理整頓のこと たとえば、 ・作業や実習で使う道具や機械の名称及び主要な部分の名称が分かること ・道具や機械を使って、原材料を無駄なく使って加工したり、束ねたり、積み重ねたり、運搬したりすること ・道具や機械の簡単な手入れや後片付けをすること ・簡単な伝票に記入することが分かることなど |
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| 安全に作業や実習をする | ・安全に関するいろいろな用語や表示に関心をもつ |
| ・危険な場所や物に注意を払う | |
| ・自分や他人の安全に気を付けたりして仕事をする | |
| 道具や機械 | ・実際に作業で道具や機械を使うことを重視 |
| ・道具や機械の扱いやすい姿勢、基本的な操作手順や方法、材料や用品などの取り扱い、製品の取り扱いなど | |
| ・必要に応じて補助具を付けたり、自分の目で作業の結果がわかるように工夫する | |
| ・活動にあわせた作業場所の確認 | |
| ・原材料や道具、製品などを整理して保管 | |
| ・定期的に道具や機械の安全点検 |
| 「自分の役割」の観点 (4)道具や機械の使い方などが分かり、安全に作業や実習をする |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 自分の役割 | ・作業工程の中での自分の分担のこと |
| 自分の役割を理解し | ・仕事の全体の内容と分担した仕事の内容や手順が分かること |
| ・仕事について分からないときは、人に聞くようにすることも含まれる | |
| 他の者と協力して | ・同じ場所で同じ仕事をする人と一緒に協調して仕事をしたり、人の分担とのつながりを理解して、自分の分担の仕事をしたりすること |
| ・仕事のきまりや指示などをよく守ったり、必要のないとき以外は、人の仕事に手出しや口出しをしないことも含まれる | |
| 役割 | ・一人一人が力を発揮できるよう、グループの編成等に配慮 |
| ・作業工程及び作業内容の綿密な分析 | |
| ・作業場所や製品の流れを工夫し、作業工程全体が見通せるようにする |
| 「産業現場等における実習」の観点 (5)産業現場における実習を通して、いろいろな職業や職業生活、進路に関心をもつ |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 産業現場 | ・実際に産業にかかわっている企業や商店、農場などを指す |
| など | ・作業所などの福祉施設、市役所などの公的機関を指す |
| ・仕事について分からないときは、人に聞くようにすることも含まれる | |
| いろいろな職業や職業生活に関心をもつ | ・実習を通して、自分の住んでいる地域にある様々な職場やそこで働く生活に興味をもつこと |
| ・職場見学を通して、そこで働いている人の様子や仕事の内容、職場での生活に関心がもてるようにする | |
| ・実習においては、仕事に関する自分の分担を理解したり、実習先の職場の人と協力して仕事をしたりすることで、職業生活に関心をもち、職業意識を育てる | |
| 進路に関心をもつ | ・実習を通して、生徒が自分の適性やもっている技能を理解できるようにすることによって、卒業後に就いてみたい仕事や働きたい職場などについて関心をもてるようにする |
| 産業現場における実習 | ・学校内における作業や実習との関連性を重視 |
| ・校内における実習の成果が生かされるようにする | |
| ・実習先の評価を校内における作業に生かすように配慮 |
| 「家庭の役割」の観点 (6)家族がそれぞれの役割を分担していることを理解し、楽しい家庭づくりをするために協力する |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 家族がそれぞれの役割を分担していることを理解 | ・保護者や兄弟姉妹などのそれぞれが、家庭生活の中で仕事を分担していることでお互いが支え合っていることに気付く |
| ・家庭生活の中での自分の存在が保護者や兄弟姉妹などから認められていることに気付く | |
| 楽しい家庭づくりのために協力する | ・自分の身の回りのことを自分でする |
| ・家庭内の仕事の手伝いをする | |
| ・家族の団らんに参加する | |
| 家庭の役割 | ・・自分のことを自分でしたり、家事の手伝いをしたりすることを通して、家族の一員として存在感をもてるようにする |
| ・基本的な生活習慣にかかわる内容を発展させ、それらの仕事を成し遂げられるようにすることの配慮 |
| 「家庭生活に関する基礎的な事項」の観点 (7)家庭生活に必要な被服、食物、住居などに関する基礎的な知識と技能を身に付ける |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 被服に関する基礎的な知識と技能 | 清潔な衣服、洗濯とアイロンがけ、簡単な縫い物、染色、織物などにかかわること たとえば、 ・清潔な衣服を着ること ・自分で身なりを整え簡単な日常着などの手入れをすること ・洗濯用の器具の扱い方、洗剤の使い方などが分かり、簡単な日常着を洗濯すること ・ボタン付けや布と糸を使って縫うこと ・簡単な手芸をすること |
| 食物に関する基本的な知識と技能 | 家庭用食品の保管、調理、食事などにかかわること たとえば、 ・簡単な食品名や料理名などが分かる ・栄養を考えていろいろな食品を組みあせて食べること ・加工食品や半加工食品について知り、利用すること ・主食や副食等が分かり、簡単な調理をする ・盛り付けや配膳などの食事の準備、後片付けをする ・調理室の整理整頓をする ・写真を見て食事の注文をし、作法を守って楽しく食事をすることなど |
| 住居に関する基本的な知識と技能 | ・住まいの清掃、管理などにかかわること たとえば、 ・自分の持ち物を整理整頓する ・住まいの簡単な手入れや飾り付けなどの手伝いをする ・部屋の換気、採光、照明の仕方を知り、調整する ・照明器具、冷暖房器具を安全に使う ・清掃用具を使って住居を清潔にする ・ごみを分別する ・掃除用の洗剤、殺虫剤を安全に使う ・住居周りの環境の整備を行うなど |
| 基礎的な知識と技能を身に付ける | ・これら家庭生活における被服、食物、住居に関する基本的な事柄分かり、それらを自分で処理できるようになること |
| 「情報」の観点 (8)職業生活や家庭生活で使われる情報機器等の初歩的な扱いに慣れる |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 職業生活や家庭生活で使われる情報機器 | ・コンピュータなどの情報機器、複写機などの事務機器、電話、ファクシミリなどの通信機器のこと |
| 初歩的な扱いに慣れること | 情報機器に関心をもち、簡単な操作を経験すること たとえば、 ・職場や家庭で様々な情報機器は使われていることに関心をもち ・複写機や電話機、ファクシミリなどの簡単な取り扱いができること ・電話やファクシミリで、仕事や家庭生活に関する簡単な用件を伝えたり、受けたりする ・仕事で複写機を使い書類をコピーすることなど |
| 情報 | ・実際に電話をかけたり、ファクシミリで情報を発信したりするするなどの活動を大切にする |
| ・情報を受け取ったり発信したりする際のマナーがあることに気付く | |
| ・情報を限定してやりとりすることに気付く |
| 「余暇」の観点 (9)余暇を有効に過ごすための方法を知り、生活に生かす |
| ポ イ ン ト | 学 習 内 容 |
| 余暇を有効に生かすため | ・職業生活における職場での休憩時間の意味が分かり、次の仕事が効率よくできるように休む |
| 家庭生活においては、自分の趣味や家庭の団らんで自由になる時間を使うこと たとえば、 ・職場の中で休憩時間に体を休める ・家庭生活の中で、テレビ、音楽、ゲームなどを楽しむ ・休日に地域の公共施設を使う ・買い物などをして楽しく過ごすなど ・来客の対応や親戚、知人の家の訪問も家庭生活の余暇の活用につながる |
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| 生活に生かす | ・余暇の有効な過ごし方を自分の日常生活を通して実践すること |