目 標
具体的な操作などを通して、数量や図形などに関する初歩的なことを理解し、それらを扱う能力と態度を育てる。

@「具体的な操作などの活動を通して」とは、
・具体物を見る
・手で触れる
・体を動かして順番に並ぶ
・一定の数の音を聞く等

A「数量や図形などに関する初歩的なことを理解する」とは、
・数、量、計算、図、形
・位置関係
時計や暦

B「それらを扱う能力と態度を育てる」とは、
・日常生活の中で実際に活用することができる
・実際に使おうとする意識を育てる

段階及び学習内容
「数量の基礎、数と計算」の観点
1段階(1)具体物の有無が分かる
2段階(1)身近にある具体物を数える
3段階(1)初歩的な数の概念を理解し、簡単な計算をする

段  階 ポ イ ン ト 学 習 内 容
1段階 個別化する 特定の物に着目する
類別する 様々な刺激のうちから、必要な情報のみを取り出し、他を捨象する
・形や色が同じものを選ぶ
・似ている2つの物を結びつける
分類・整理 他の種類や質の違いがある対象を含めた集合づくり
・関連深い一対のものの組み合わせ
・同じものの仲間集め
対応する 具体物及び半具体物を使用した初歩的な分析と総合
・皿等を1人に1つずつ配る
・分割した絵カードの組み合わせ
・関連深い絵カードの組み合わせ
2段階 身近にある具体物を数える 数を数える 1〜10の範囲で1つずつ数詞を獲得
一対一対応をする 数の多少
・生活場面で、「同じ」「足りない」「余っている」の確かめ
分類する 形、色、大きさ、目的、機能に着目
3段階 初歩的な数の概念を理解し、簡単な計算をする 数唱 数を言葉で言う
計数 具体物と数詞を一対一対応する
記数 数字を書く
大小比較 数比べ
・さいころ遊びや玉入れ等
順序数 ・次の数あて
・前の数あて
・逆の順で数詞を言う等
合成・分解 補数関係(10までの数を対象)
計数 10ずつまとめて数える
簡単な計算をする 具体物を用いて、おおむね10の加減算
乗数 ・2ずつ、5ずつまとめて数える
除数 具体物を等分する



「量と測定」の観点
1段階(2)身近にあるものの数量に関心をもつ
2段階(2)身近にあるものの長さやかさなどを比較する
3段階(2)身近にあるものの重さや広さなどが分かり、比較する
段  階 ポ イ ン ト 学 習 内 容
1段階 素量に関心をもつ 体験的に気づく
・大きい小さい
・多い少ない
・重い軽い
2段階 身近にあるものの長さやかさ 遊びや生活の中にある具体物
・大きい小さい
・多い少ない
・長い短い
・高い低い
・広い狭い等
比較する 具体物を感覚的に直接比較
・ボール、果物、布、紙、食器、おかずの量、牛乳、鉛筆、クレヨン、箸、身長、ジャングルジム、鉄棒、プール等
3段階 重さや広さなど ・太い細い
・厚い薄い
・深い浅い
・遠い近い等
比較する 3者や4者の比較において比較級、最上級などの理解や用語を使う

 


「図形」及び「数量関係」の観点
1段階(2)身近にあるものの数量に関心をもつ
2段階(2)身近にあるものの長さやかさなどを比較する
3段階(2)身近にあるものの重さや広さなどが分かり、比較する
段  階 ポ イ ン ト 学 習 内 容
1段階 形の違い気づく ものから形を抽出し、
・形の相違点や類似点に気づく
・同じ形のものを選ぶ
2段階 基本的な図形や簡単な図表に関心をもつ ・「しかく、さんかく、まる」の名称を言う、指さし、型はめ
・身近な物から四角、三角、円を取り出す
・位置について(上下、中外、前後等)の日常生活での体験
・生活表や勝敗表の意味理解と使用
3段階 基本的な図形がわかり、その図形を描く ・形の名称を言ったり仲間集めをすることで正方形、三角形、円等を理解
・型の違いが分かり、描く
・基準となるものの中心として左右の位置関係
・○印等の簡単な記号を使用した表について、数を数えたり、比較したりして多少、同じ等の数量関係
・四角を塗りつぶしての棒グラフ作成



実務(時計や暦)
2段階(4)一日の時の移り変わりに気付く
3段階(4)時計や暦に関心をもつ
段階 ポイント 学習内容
2段階 一日の移り変わりに気付く ・生活と時刻のつながりに関心
・いろいろな種類の時計があることに気付く
・朝昼晩の理解
・「きのう」「きょう」「あした」の区別
・「学校に行く日」「学校に行かない日」も気付く
時計に関心をもつ ・時刻をほぼ読める(日常生活の中での時刻と行動の対応
・「午前・午後」の用語(昼前昼過ぎからの理解)
・アナログ・デジタル時計の発達段階に応じた使い分け
3段階 暦に関心をもつ ・カレンダーの作りが分かり、おおよそ使える